地味子には秘密があるらしい!

 あっ……という謎の空気が充満し、皆が壱夜を見る。

その次に揃って私へと視線をスライドさせる。

いやこっち見んなよ。何を期待してんだよ。

と言ってやりたくなるが、ここは何か言った方が良いのだろうか。

……なに話そう。今日の星占い何位ですかとか?私は7位だった。

などと考えてみるが、私の言葉など(はな)から不要だったようだ。

私が何かを言う前に、壱夜が澄ました顔で唇を開く。

 「遊香。一緒に図書室で勉強でもしないか?」

勉強のお誘いだった。昼休みの次は放課後か。

もしかしたら純粋な好意?と勘違いしそうなってしまう。

が、金持ちのすることなど想像すらできない。

地味な女を誑かすという遊びなのかもな。暇かよ。


 しかしこの男は昼休みの件からして、相当しつこいと経験済みだ。

ここはすぐに引き受けてしまおう。

なに、悪いことばかりではない。課題の効率も上がるだろう。

 「えっと……はい、わかりました。今向かい___」

 「あ、あの!僕も岡島先輩から……学びたいです!」

そう私の返事を遮ったのは、まさかの恭弥だった。

滅多に聞かない張りのある声。

それに驚き、後ろを振り返ってみれば。

なんと彼は泣きそうになっていた。

そんな潤む目尻を見た壱夜は、ほんの少し狼狽する。