地味子には秘密があるらしい!

 緊急警報緊急警報、いじめ発生いじめ発生。

さてと始まりました脳内会議。どうすっか。

事件現場を一瞥し、加害者Aと被害者Bを見やる。

Aは体格がずっしりしており、Bは身長の割に華奢。

AがBの胸ぐらを軽く掴んでいた。

白髮碧眼のBは涙を流しながら、全身を震わせている。

どうやら上流社会特有の、実家の太さ格差が生じたようだ。


 彼のことは助けてあげたい。

が、助けたら目立つ。地味子の意味がなくなる。

しかし見過ごすのは心苦しいというもの……

などと思考を巡らし、最善を探し出す。

深慮の末、今回は……

 「あのー。彼に少々用がありまして。お借りしてもよろしいでしょうか?」

行動することにした。

ここで無視を決め込めんでしまえば、三ヶ条を破ることに。

それだけは嫌だった。足は完全に洗ったのだ。