地味子には秘密があるらしい!

     ***

 「あ、家にマーカー忘れちゃったかな〜?」

 「え、貸しましょうか?」

 「うーん。でも申し訳ないし……」

放課後、いつも通り休憩部屋で勉強中。

という最中、机を挟んだ先にいる優貴が声を上げた。

勉強を教えて貰いながら、課題を進めていたのだが。

どうやらマーカーが見つからないようだ。

筆入れをガサゴソと漁り、ひっくり返している。

そして諦めたようにスッと立ち上がり、

 「ちょっとコンビニまで行ってくるよ」

と私に断った。どうやらマーカーを買いに行くようだ。

コンビニ……そういえば新作スイーツが出たってSNSで見た気も。

 「遠藤先輩、もしかしてセ◯ンですか?」

 「え、そうだけど……あ、今日発売のスイーツあるんだっけ?」

 「はい。それ以外にも買いたいのあるので、付いてっていいですか?」

 「それなら一緒に買ってくるけど……」

 「いえ、金銭トラブルとか面倒なので行かせてください」

 「なら一緒に行こっか。あ、財布持った?」

 「私は持ちましたけど……遠藤先輩の、机の上にありますよ?」