「えーと、恭ちゃんと初めて会ったのはね、公園で恭ちゃんがいじめられてた時。確か6歳の頃かな?それを僕が守って……いつの間にか恭ちゃんとは公園で遊ぶようになって。学校は小中どっちも離れてたけど、放課後になると一緒に遊んでた。」
「それでね、こう言っちゃあれだけど、恭ちゃん家ってあんま余裕がないとこで。恭ちゃんも限界だった。だから、中三の時誘ったんだよ。白鳥に来ないかって。寮に入れば安全だよーって。恭ちゃんは遠慮してたけど……僕が無理やり入れた」
その発言に、息を飲む。
そして、潜めた声で問う。
「……裏口?」
そんな質問に、虹季は平然と答えてみせた。
「そ。恭ちゃんには一銭も払わせずに、僕が入れた」
「さすが理事長の孫」
「でしょー?でも、そうするしかなかったんだよ。恭ちゃんは、逃げなきゃいけなかったから」
そこまで彼が言い切ると、暫しの間沈黙が場を満たす。
何か言った方が良いのだろうか。
……いや、口は閉ざしたままでいよう。
手だけを動かし、ボウルに切り終わった人参を入れていく。
虹季はまだ、皮を剥き終えてさえいなかった。
「それでね、こう言っちゃあれだけど、恭ちゃん家ってあんま余裕がないとこで。恭ちゃんも限界だった。だから、中三の時誘ったんだよ。白鳥に来ないかって。寮に入れば安全だよーって。恭ちゃんは遠慮してたけど……僕が無理やり入れた」
その発言に、息を飲む。
そして、潜めた声で問う。
「……裏口?」
そんな質問に、虹季は平然と答えてみせた。
「そ。恭ちゃんには一銭も払わせずに、僕が入れた」
「さすが理事長の孫」
「でしょー?でも、そうするしかなかったんだよ。恭ちゃんは、逃げなきゃいけなかったから」
そこまで彼が言い切ると、暫しの間沈黙が場を満たす。
何か言った方が良いのだろうか。
……いや、口は閉ざしたままでいよう。
手だけを動かし、ボウルに切り終わった人参を入れていく。
虹季はまだ、皮を剥き終えてさえいなかった。


