地味子には秘密があるらしい!

 なんだか悲しいなあ……と思っていれば。

いつの間にか恭弥が私の後ろに隠れていた。

どうしたの?と問えば「知り合いだぁ」と返す小動物。

様子から察するに、知り合いの知り合いのようだ。

だとしても、会って早々それは失礼なのでは……。

という感じで恭弥を守っていれば、虹季による先客紹介が。


 「遊香ちゃんに説明するよ。二人は僕の友達で、ここの先輩。壱夜くん、自己紹介お願い」

虹季を中心に進んでいく自己紹介。

壱夜と呼ばれた黒髪の美男が反応した。

真正面から見てみると、本当に綺麗な顔立ちだ。

この中でずば抜けて顔が良い。AIかと疑ってしまう。

正体を疑っていれば、男は簡素な自己紹介をしてみせる。

 「岡島 壱夜(おかじま いよ)だ。二年生をしている」

そう言い終えると、再び漫画を読み始める。

すると必然的に視線は隣の茶髪男へ。

物腰の柔らかそうな男は、優雅な微笑を浮かべる。

 「んっーと、僕は遠藤 優貴(えんどうやさき)。三年生で生徒会長なんだ〜」