地味子には秘密があるらしい!

 来年から身寄りのない子供を引き受けます。

そう白鳥が宣言したのは二年前、中学二年生の春。

無償で授業が受けられ、寮にも入れてくれるとか。

孤児院で14年間を過ごしていた私にとって、それは大きなチャンスだった。

それからというもの、私は死に物狂いで勉学に励んだ。

今更遅い。そんな後悔が脳裏を常によぎっていた。

それでも、私にだって喧嘩以外の何かがあると証明したい。

未熟だった私を理解してくれた人々に、恩返しがしたい。

その一心で悪事からは足を洗い、頑張ってきた。

そして今年の冬、届いた合格通知。

色々な人に感謝し、無事特待生として入学を果たし……