地味子には秘密があるらしい!

 ___いつから私の力を見抜いていた!?

なぜか彼には私の隠し能力、『喧嘩が強い』を見抜かれていたらしい。

今度は私が口をあぐあぐしていれば、恭弥が話を続ける。

 「僕、いつもくよくよしちゃって。それに比べ小柳さんは芯があって、優しくて……強いです。本当」

……あれ、違う?なんだか違うみたいだぞ?

もしかして、強いってメンタルとかそういう意味?

 「その強さってのは物理的な強さではなく?」

 「いえ、心が強いってか、折れない曲がらないみたいな?」

どうやら彼はメンタルの事を指していたらしい。

なんだ。この地味子変装が不良品だったのかと。


 ほっと息を吐き、代わりに溢れる笑みを振りまく。

 「ならよかった。んでもってありがと」

と礼を言えば、突然恭弥が蹲った。

 「え、どしたどした」

 「陽キャオーラがするぅ。小柳さんは僕と同類だと思ったのに……」

 「必ずしも見た目=中身って訳ではないからね」

 「騙された……これは詐欺だぁ!」

 「そんな理不尽な」