地味子には秘密があるらしい!

 「反社会的勢力に属し人生ゲームオーバーになっちゃう!?」

などと叫び出した。

少し飛躍しすぎているが、彼にはそう思い込んで貰った方が都合が良い。

なので特に言及はせず、静かに問う。

 「それで良いの?」

 「多分良くない……全然良くない……」

彼はニートからの反社行きはなんとしてでも阻止したいようだ。

なら、と話を一気に戻し、彼を良い方向へ誘導する。


 「恭弥のためにも、こーくんって子のためにも、ここは頼ろう」

強く、真っ直ぐな視線で彼の瞳を捉える。

すると彼はその真剣さに戸惑ったのか、目線を外した。

そして自信なさげに、最終確認を取る。

 「本当に、頼ってもいいの?」

 「うん。頼らないのは今回は危ない。こーくんにも迷惑かけるよ」

少し脅すような口調になってしまったが、言ってることは本当だ。

見るからに自信の足りない恭弥が、頼れると即答した人物。

そんな人物が恭弥を気にかけていない、という可能性は低いだろう。

ならば、恭弥が居なくなってはその子まで辛い思いをする。