「広いな…帰っていいか?」
今日から転校し藤ノ宮学園中等部3年生として通うことになった満はやたら広い門を見てそんなことを言う

「満様…ほんとに帰ろうとしないでください」

「だってさ、どこを見てもお嬢様とかばっかだし…絶対ぼくみたいなやつはお帰り案件だよ。
この格好もTheお嬢様って感じで落ち着かないし…
ぼくも男子制服が良かった…!!」

「似合っていますよ満様」

「自分の格好を褒められてこんな嬉しくないことあるんだな…てか悠も着いてくるのか?」

「いえ、私はもう帰ります、また終わりの時間になったら迎えに来ますよ」

「なるほどな…じゃあ迎えはなしでいいよ。こんぐらいなら歩いて帰りたいし」

「ですが…藤ノ宮は名門学校そんな所の制服を着ていればいつどんな人に狙われるか…!」

「いいって歩いて帰る。動かなきゃ体力も落ちるし」

「それなら…私も一緒に歩いて帰ります」

「ええ…?それ逆に面倒じゃないか?」

「いえ、満様をお守りしますよ」

「ぼくある程度なら自己防衛ぐらい出来るんだけど…まあいいや、じゃあそれでいいよ。」

「了解いたしました…!」
そうぱぁっと顔を明るくする悠だった