定食屋を出てしばらく歩きながら喋る

「満様、次はどこへ?」

「ここだよ」

ぼくそう言い目の前にある公園を指さす

「公園…?」

「そっ、ゆっくり話したくて」
そう言いベンチに座る少し離れた遊具が置いてあるエリアには家族連れが何人かいた

「子供たちは元気ですね」

「ね、ぼくもあったなーああいう時、よく母さんが連れてきてくれたんだよ」

「そうなのですね…」

「どうだった?今日」

「楽しかったですよ、とても」

「そっか、なら良かった」

「満様らしい過ごし方だなと…あと、満様が動物好きって事を知れたのも、こうやって奥様との思い出の場所に私を連れてきてくれた事がとても嬉しかったです…!」
そう悠にしては珍しく満面の笑みで笑う
こう見ると童顔で普段より幼く見えるぼくはそんな悠を見て満足気に微笑んだ

「あの、私からもひとつ話を良いですか?」

「良いよ、どうかした?」

「その…前の返事、なのですが」

「……ああ、あれか急いで返事しなくてもいいって言ったんだけどな」

「私には…まだ分かりません、だから…貴方が私に教えてくださいませんか…?」

「うん、良いよ。」
そう言い悠の手を繋ぐ

「その代わり…絶対、後悔しないでよ?」
意地悪くそう笑ってやれば悠は動揺したように顔を赤くする
「な、何をするおつもりですか!?!?」

「さぁ?じゃあ帰ろうか」
そう言い立ち上がる

「は、はい!」
悠はまだ驚いてるようで少し挙動が怪しい、そんな姿どうにもおかしくて自然と笑いが込み上げた

ぼくたちはこのぐらいの距離感でちょうどいいのかもしれない、だって今がこんなにも楽しいんだから!
初めて心からそう思えた瞬間だった