あの後ぼくは部屋に戻り何となくぼーっとしていたベッドはふかふかで快適だけどやっぱどこか落ち着かなかった

「あ〜なんか落ち着かないな…」
その時部屋の扉がノックされる

「どうかしたか?」

「満様」

「悠か」

「食事の用意が出来ましたよ」

「やったありがと!」
そう言いぼくは思い切り扉を開けた
「ところで悠達のご飯誰が作ってるんだ?」

「それは私がお作りしていますよ、そこまで人数もいないですしね。」

「そうなんだ、あれ、さっき見た時は結構いたような…?」

「住み込みは私ともう2人だけなんです」

「そうゆうこと…」
そう案内されながら先程のやたら広い部屋ではなく少し狭めのメイドや執事達が居るであろう部屋に通される

「おっ!この人が悠の主人かー!?」
そう言い飛び出してくるのはボブぐらいの長さで片方だけ結っている紺色髪のメイド服を着た女の子だった歳は多分ぼくと同い年ぐらいな気がする

「ちょっと、時雨さん神宮寺家の娘さんに失礼ですよ…」
そう言うのは長いブロンド髪で両サイドを三つ編みしている眼鏡をかけたの明らかに顔立ちが日本人じゃない女性だった多分ハーフ歳は…ぼくよりも少し年上な気がする多分悠と同い年ぐらい
「ああ、いやそんな気にしないで、てかぼくそうゆうの扱いされるの好きじゃないしお嬢様呼びとかしなくていいから、そもそもぼく元々お嬢様でもなんでもない貧乏人だからむしろ礼儀とか期待されても困るだけだしな」

「そうなのですか?」

「そうそう、だから普通に接してくれればいいよ」

「じゃあ…ってあれ?名前なんて言うんだ?」

「満。」

「よろしくな!満!あたしは時雨佳奈!」

「うん、よろしく佳奈。」

「満さん、私は西城エマよろしくお願いいたしますね。」

「よろしくエマ。」
ある程度自己紹介を終えると悠がテーブルの上に食事を並べる

「どうぞ。」
「てか悠全然雰囲気違うな〜」
佳奈がそう言うと悠に動揺が見られる

「時雨さん…!?何を言っているんですか…!?」

「そうなのか?ぼくといる時はこんなんだけど」

「実際の悠くんは少しひ弱なんですよ…?」

「エマ…!?」
どんどん悠のキャラが崩れてる気がする…ちょっと面白いな…てかあれ?悠くん、エマ…って下の名前で呼びあってる?

「2人ってどうゆう関係…?」

「エマとは幼なじみなんですよ。」

「うぇ!?!?そうなのか…?」

「はい。」

「それよりも食事が冷めてしまいますよ。」

「あっそうだったな。」

「「「いただきます」」」
そう言いぼくは煮物を1口分口に入れる

「美味しい…!」
さっきのよりも全然美味しいし何より温かい

「お口に合ったようならなによりです。」

「悠料理上手いもんな〜」

「そうだ何気にぼく3人の年齢とか知らないかも、もし良かったら教えてくれないか?」

「あたしは15歳!」

「ぼくの1個上だったんだ…」

「私は18歳です。」

「私もエマと同じ18歳です。」

「やっぱ2人は同い年なんだな〜ぼくは14歳てかそうなると2人には敬語の方がいいのか…?悠には断られたからこのままにするけど」

「あたしは全然今のままで大丈夫だぞ!」

「私も構いません。」

「じゃあこのままで」

「なんかこうゆうの友達みたいで良いなー!!
あたしたちはさこうゆう感じだから友達みたいな関係じゃないし…
いやまあでも満に対しても友達はダメなのか…?」

「こっちは全然気にしないけど…てかそもそもぼくも友達なんてロクに居なかったしな」

「やった〜!じゃあ今日からあたしたち友達な!」

「うん、よろしく」

「エマも友達だからな!悠も!」

「「えっ」」
佳奈がそんなことを言うと幼なじみ2人の声が揃う

「ですが、時雨さん私たちは同僚ですよ」

「別にこうやってみんなでいる時ぐらいはいいだろ〜!?」

「別にいいんじゃない?そもそもぼくも今こうやって一緒に食事をしてる訳だし」

「それは、そうですが…」
ぼくがそう言うと悠は口篭る

「じゃあ…こうしよう、これからこうやって4人でいる時はお互い立場とか関係なしに対等な関係でいること!!それでいいだろ?
それにぼくこうゆう真面目で重苦しい雰囲気苦手だし」

「満様はずっとそう仰ってますね」

「苦手なんだからしょうがないだろ…てか正直いってさっきの空気も嫌だったし…」

「提案なのですがもし苦手ならこれから食事は私たちとご一緒にしますか?旦那様が許可をくださればですが」

「いいのか…!?じゃあそうさせてもらうよ。」

「やったー!これで満も一緒だな!!」

「そうですね…よろしくお願いしますね満さん…満ちゃんとお呼びしても良いでしょ…良いかな?」

「いや、敬語の方が落ち着くなら全然問題ないからな?あと呼び方は好きに呼んでくれると嬉しいよ」

「分かりました…!よろしくお願いしますね!満ちゃん!」
そこからぼくたちは他愛もない話をしながら夕飯の時間を過ごした最初に父さんたちと食べた食事の何倍も美味しく暖かく感じた、そんな神宮寺家での2回目の食事だった