「おっ俺に似てるなひと目でわかったよ」
初対面で何言ってんだこいつはと思いつつも敬語は崩さないようにした

「誰…ですか?」

「えっ分からない?実の父親だよお前の」

「……は?」
目の前のこいつがぼくの本当の父親……?

「嘘…なんで、てか大体ここは企業の社長やその後継ぎとか資産家とかしか来れないんじゃ…?」

「俺が企業の社長だからだよ」

「それは分かった、今更ぼくになんの用?」

「俺と一緒に来ないか?」

「は……?絶対嫌なんだけど?ぼくが産まれる前に逃げたくせに今更父親ズラしないで!母さんを捨てたくせに!!」

「酷いなぁ実の父親なのに…それに顔だって似てるし?きっとお前の母親も俺に似た娘を14年も手元に置いとくの辛かっただろうなぁそしてこれからも!お前は迷惑をかけ続けるんだ!」

母さんが……ぼくを…?
嘘……

だって今まで母さんはぼくのことを大切にしてくれて…けど実際は、辛い思いを……?

どうしたら……

けどこいつは母さんを捨てた、でもぼくがこいつの元へ行けば母さんは幸せに……?

そんな事を考えてると隣の悠から低い声が聞こえてくるこの声の時は大体キレてる時か警戒してる時だ

「……お引取り、願えますか?」

「は?誰だてめぇ!」

「篠宮悠…満様の執事でございます。」

「どちらにしよ部外者には関係ねぇだろこれは俺たち家族の問題だ」

「関係あります。私は満様…そして神宮寺家に仕える者です、それに満様は今後神宮寺家をお継ぎになる存在です。そんな彼女を本人の意思とは関係なく別の家に渡すことはできません。それに旦那様からの許可もいただておりませんので話があるようでしたら旦那様に直接ご相談ください。」

悠がそう言うとあいつは大人しく去っていった神宮寺家はやっぱすごい権力を持ってるんだと思う

「ありがとう……悠、ごめん…ちょっと動揺しちゃって」

「お気になさらないでください」

「ありがとう、それと今少し1人になりたくて……もし父さんになにか言われたらそうやって伝えといて」

「……かしこまりました。」

そう見送られるとぼくは部屋を出た