車内にて

「旦那様、少しお聞きしてもよろしいでしょうか」

「なんだ?」

「……兄はあの後どうなりましたか?母と会ったとお聞きしたので」

「あの後、篠宮の家に戻されたその後は自宅で普通に生活してるらしい、今は別の家に仕えるために再び教育しているらしい」

「そう、ですか…ありがとうございます。」

「悠、もしかしてあいつのこと気にしてる?」

「兄さんが満様にした事は許されることじゃない、けど実の…たった一人の兄ですから、どうしても気になってしまい……」

「けど、それってすごくいいと思う。だってそれだけ家族の事を大切に思ってるってことでしょ、それにぼく別にあいつの事気にしてないし…まあ、あんまり本気で怒ってるところを見た事ない悠をあそこまで怒らせたのはすごいと思うけど」

「あれは、その…反射的にと言いますか……」

「けど、まあ…結構嬉しかったかな、ぼくのために怒ってくれたの、あんまりそうゆうことってなかったからさ」
ぼくがそう言うと悠は少し嬉しそう微笑んだ

「ありがとうございます」
そんな様子を見た父さんは少し不満そうな顔をする

「思ってはいたが君たち最近距離が近くないか?」

「そう?」

「そうですか…?」

全く同じ表情でそう言うぼくたちを見て父さんは苦笑いをする


「まあ、不仲よりはいいがな」
そんなやり取りをしていると会場に着いていた