部屋へ戻り着替えを済ませた後

「満様、準備はよろしいでしょうか」

「大丈夫、今行く」

そう言いドアを開けるとそこにはぼくがさっきあげたネクタイを付けている悠がいた

「似合っていますでしょうか?」

「似合ってるよ、まあぼくが選んだから当たり前だけど……」

「そうですね、満様が私のために贈ってくださったのだから」

「な…!からかってるだろそれ…!!調子乗るな…!!」
ぼくがそう言うと悠は少し微笑んだ

「すみません、満様、つい…」

「全く…てか早く行かなきゃ遅くなるよ」

「そうでしたね」
そう言い家を出た

「ところで、満様は着いてくる必要無かったのですよ?」

「…ぼくが手伝いたいからやるんだ、それに米、無かったから…持つのぼくも手伝う」

「えっ、それ私知らなかったのですが!?」

「うるさい…大きい声出すなまあ悠居なかったし」

「そうですけど…」
そんなやり取りをしていると目的地についた

「いつもの米ってこれ?……高いな、もう少し安いやつでも…なんなら玄米と混ぜるとおすすめだよ。」

「そうですね、ってよくそんな涼しい顔で持てますね…凄いです私でも結構きついのに…あと食費は神宮寺家から支給されているので問題ないですよ」

軽々しく10キロの米を持つぼくを見て悠はそう驚く

「別に…こんぐらい普通でしょ、てか多分それは悠の力がないだけ、前の癖で値段はつい気にするの」

「……満様って私に対して時々辛辣ですよね」

「割といつもだと思うんだけど」

「自覚はあるのですね…」

「あるけど、悠以外は割とちゃんと対応してるつもり…」

「それは私も十分分かっていますが…」

「じゃあ逆に聞くよ?ぼくが悠に対して恐ろしいぐらい優しかったら?」

「それは確かに…違和感がありますね、なんていうか本当の満様じゃない気がして」

「……そうゆうこと。」

「えっ?それってどいうゆう…」

「知らない…早く買い物済ませるから」

「満様…!?」
そう言い早足で歩くぼくを見て追いかけて
くる悠がおかしくて思わず笑ってしまった

「無事終わりましたね」

「そうだな」

「満様私がそっちを持ちましょうか?」

そうぼくが持っている米を持とうとする

「いい。ぼくの方が力あるし」

「……私も、もう少し体力作りなどをするべきでしょうか」

「ん〜そのままでもいいと思うけど、まあやるって言うならぼくも手伝うよ。
とりあえず毎朝ランニング3kmから始めようか」

「お願いします」

「わかった、じゃあ早速明日の朝五時ね」

「はい、満様をお守りできるように頑張ります。」

「ぼくの為じゃなくて自分の為にやりなよ…」
思わず呆れているといつの間にか門が見えていた

「着いたな」

「おーい!満!悠!」
玄関の外から佳奈がそう声をかけてくる

「佳奈!」

「あたしも手伝うよ!」

「ありがとうございます」
悠はそう言うとふたつ持ってた袋のうち片方を渡す

「てか…悠は普段とは違うネクタイをしてるし2人きりの買い物…言っとくけど一応執事と主人の恋愛は禁止になっているからな!せめてバレないようにしような〜!てか満はまだ中学生だし」

「「違う(います)!!そんなんじゃない(です)!!」」
そんな訳ない…ぼくが悠なんかのこと…

「あっ息ピッタリだな〜これやっぱエマの妄想の通りかもしれないな」


「エマの妄想って…いやそんなんじゃないですよ…本当に、満様は執事として仕えるべき主人ですので」

「てか前から思ってたんだけどエマって時々変なスイッチ入るけどあれって何?」

「あ〜エマって実はああ見えてもめちゃくちゃオタク?なんだよ部屋とかすごいぞ、そしてあれなんだよな一応漫画家としても活動してるぞ」

「メイドとして働きながらってこと?」

「そうそう、結構需要あるみたいなんだよ」

「確か、この前も新しい本を出していたような気がしますね」

「たまに、徹夜明けみたいな表情してるけどあれってそう言うことだったんだな」

「そうゆう事!よしそれより早く片付けるぞ!」
そう言い佳奈は率先して玄関へ入っていった

「ぼくたちも行くか」

「そうですね」
そう言いぼくたちも玄関へ入り使用人室へと向かう

「悠、その…少し気になったことあるんだけどいい?」

「どうかなさいましたか?」

「えっと、その…いややっぱ何でもない」
恋人とかっている?と聞こうとしたが上手く言葉にできそうになかった
何故か恥ずかしくなりぼくはそのまま走って使用人室へと向かった

「……満様?」