自室にて

「聞ける訳ないだろ…!そもそも悠はぼくがこの事知ってるなんて知らないんだし…けど……」

「ああ…!もう…!なんか訳分かんなくなってきた…!!薫に話でもしようかな……」

そう言いぼくは薫へ今通話していいか連絡するとちょうど暇だったのかすぐ『大丈夫だよ』と返事が来たのですぐ通話のボタンを押した

「どうしたの?いきなりもしかしてまた当主様となんかあった?」

「いや…それはもう片付いたんだけど」

「もしかしてまたなにかあったの?」

「うーん…なんていうかぼくには関係ない事なはずなんだけどつい気にしちゃうって言うか…なんか納得いかないって言うか」

「もっと詳しく聞いてもいい?」

「ああ、ぼくには頼りない癖に過保護な執事がいるんだけど…本来はこの家に仕える予定じゃなかったらしくて…
それで本来くるべき人が来たら元の家に戻るらしいんだよ。
本来ぼくたちは会わないわけだったしそれに…
それがあいつの幸せならぼくが関わる事じゃないはずなんだ。けど…」

「どうしてもその人の事を考えちゃうってこと?」

「それは…多分…そうだと思う」

「なら直接話してみたら?」

「けど…それは逆に負担をかける事になるだろ向こうは気遣ってぼくから離れようとしてくれてるんだ、ならぼくが引き留める訳にはいかない。」

「……よし!明日暇?」

「明日…?特に何も無いけど」

「一緒に買い物行こ!気分転換も大事だよ!!」

「いいけど…」

「よし決まりじゃあ明日は私が10時ぐらいにそっちに行くね!神宮寺の家は目立つからわかりやすいんだよね」

「分かった…」

「じゃあまた明日ね」
そう言い通話を切った薫だった

「なんかめちゃくちゃ楽しそうだったな…」

「あっ父さんと母さんにも伝えとかないと」
ぼくは父さんと母さんが居るであろう大広間へと向かった