大広間にて

「何…?父さん」

「お前はたかが使用人の為自分の人生を棒に振るのか?」

「別に、ぼくは神宮寺家の財産が欲しいわけじゃないし普通の生活が送りたいだけ」

「お前にとっての普通の生活は使用人と仲良しごっこをするなんて言うくだらないことなのか?」

「…そのさっきから悠たちの事を使用人って言うのやめなよ。」

「何故だ?本当の事だろう」

「たしかに悠達は神宮寺家に仕える使用人かもしれない…それでも悠たちはぼくの大事な友達だ!
それに…このやたら広い屋敷が綺麗なのは悠やエマや佳奈それにほかの執事やメイドが頑張って掃除してくれたからだろ!
なのに感謝の一言もせず消耗品扱いかよ!?」
そう言い篤に殴り掛かる

「父親に歯向かうなんて…どうしたらそんな無粋な真似が出来るんだ」
そう言い軽々と避ける

「うるさい!そんな事知らない!そもそもぼくは好きであんたなんかの娘になったんじゃない!!全部は母さんのためだ!」
そう言い再び殴り掛かるがそれは篤の言葉によって止められた

「…仮に私を殴りでもしたら悲しむのはきっと裕美だろうな」

「……」
そう言われ満は静かに立ち尽くすだけだった

「そうだ、これから食事は私たちと一緒にとりなさい分かったか?」

「……はい。」
満はそれだけを言うと自室へ向かった

使用人室に戻れる気力はなかった

結局その日は何も出来る気がしなくてそのまま寝てしまい次目が覚めたらもう朝だった