千隼くんに誘われた金曜日がやって来た。
11月頭の最初の金曜日。
要くんに告白されてから要くんは何事もなかったかのように接してくれた。
今までと同じように同期の関係が崩れないように話してくれる。
そうしてくれるからこそ私も普通に要くんと今までと同じように接していた。
むしろ前よりも私の気持ちを打ち明けたことによって小さな信頼関係まで生まれた気がする。
要くんもまた私の打ち明けた内容をバラすことなく内密にしてくれていた。
仕事の忙しさも増しているため他のことを考える時間も少なくなりそれが逆にありがたい。
「うっま〜!ここのローストビーフ丼は相変わらず美味しいよね」
「すごい大きなひと口だね真夏ちゃん。見てて気持ちいいよ」
休憩時間となった私たちは3人でキッチンカーに行って買ってきたローストビーフ丼を頬張る。
席の近い私たちは向かい合って話しながらお昼を過ごした。
仕事が立て込んでいたとしてもこうしてお昼ご飯だけはちゃんと食べるようにしている。
やはり食事は身体にとって1番大切なためこの時間だけは仕事を忘れて楽しむ。
「このローストビーフ丼が美味しいのと同じくらい相変わらず早乙女さんの周りは女の人だらけだねぇ」
「まぁ見慣れた光景だけど。毎日じゃん、早乙女さんがここに来てから」
「確かに。もうすっかり見慣れたよね」
休憩時間になると毎日のように千隼くんの周りには女性社員が集まる。
彼女たちはご飯を食べているんだろうが。
そう思えるくらい彼の周りは毎日いろんな女の人たちに囲まれていた。
千隼くんは無関心に適当に流しているようだ。
チラッと千隼くんの方を見るとバチッと目が合う。
一瞬視線が絡んだかと思えば千隼くんは口角を上げてニヤッと微笑んだ。
明らかにその笑みは私に向けられたものだった。
だけど自分に向けられたと思った周りの女性社員が歓声を上げて喜んでいる。
(私に笑いかけたんだけどね⋯⋯)
なんて心の中で囁いた私はなんて意地悪い女だろう。
小さな優越感をかき消すように大きな口で残りのローストビーフ丼を頬張った。
「私ちょっと飲み物取ってくる!つむつむも飲む?」
「うん、ありがとう」
「すぐ持ってくるね」
パタパタと私たちから離れる背中を見送っているとグイッと要くんが近づいてきた。
一気に距離を詰められ目を見開く。
「真夏ちゃんの言う通り、相変わらずだね早乙女さん」
「まあね」
突然この距離感に詰められればそりゃ固まりもするだろう。
至近距離に整った顔立ちが目の前に広がり思わず頬に熱が集まった。
私の態度が面白かったのか要くんはクスッと微笑んで距離を取る。
面白い〜なんて言って悠長に要くんは笑うけど正直それどころじゃない。
「案外、早乙女さんも紬希ちゃんのこと特別に思ってそうだけどね」
「まさか。ただの幼なじみだとしか思ってないよ」
「同性にしか分からないこともあるよ」
「何それ〜」
「随分気に入られてますな〜紬希ちゃん」
その言葉の意味を知るのはもう少しだけ先になる。
私たちのそんな姿を千隼くんが眉間に皺を寄せて見つめているなんて気づかなかった。
それからしばらくして真夏ちゃんが戻ってきたため再び3人で会話を繰り返す。
あっという間にお昼の時間は過ぎていき、私たちはまた作業に戻った。
定時まで何事もなく仕事を進めていく。
今日は千隼くんと夜ご飯に出かけるため奏に連絡を入れた。
『はいはいなに?』
「今日夜ご飯いらない日だよ」
『分かってるよ。千隼くんとご飯行くんでしょ?』
「今日中には帰るから」
11月頭の最初の金曜日。
要くんに告白されてから要くんは何事もなかったかのように接してくれた。
今までと同じように同期の関係が崩れないように話してくれる。
そうしてくれるからこそ私も普通に要くんと今までと同じように接していた。
むしろ前よりも私の気持ちを打ち明けたことによって小さな信頼関係まで生まれた気がする。
要くんもまた私の打ち明けた内容をバラすことなく内密にしてくれていた。
仕事の忙しさも増しているため他のことを考える時間も少なくなりそれが逆にありがたい。
「うっま〜!ここのローストビーフ丼は相変わらず美味しいよね」
「すごい大きなひと口だね真夏ちゃん。見てて気持ちいいよ」
休憩時間となった私たちは3人でキッチンカーに行って買ってきたローストビーフ丼を頬張る。
席の近い私たちは向かい合って話しながらお昼を過ごした。
仕事が立て込んでいたとしてもこうしてお昼ご飯だけはちゃんと食べるようにしている。
やはり食事は身体にとって1番大切なためこの時間だけは仕事を忘れて楽しむ。
「このローストビーフ丼が美味しいのと同じくらい相変わらず早乙女さんの周りは女の人だらけだねぇ」
「まぁ見慣れた光景だけど。毎日じゃん、早乙女さんがここに来てから」
「確かに。もうすっかり見慣れたよね」
休憩時間になると毎日のように千隼くんの周りには女性社員が集まる。
彼女たちはご飯を食べているんだろうが。
そう思えるくらい彼の周りは毎日いろんな女の人たちに囲まれていた。
千隼くんは無関心に適当に流しているようだ。
チラッと千隼くんの方を見るとバチッと目が合う。
一瞬視線が絡んだかと思えば千隼くんは口角を上げてニヤッと微笑んだ。
明らかにその笑みは私に向けられたものだった。
だけど自分に向けられたと思った周りの女性社員が歓声を上げて喜んでいる。
(私に笑いかけたんだけどね⋯⋯)
なんて心の中で囁いた私はなんて意地悪い女だろう。
小さな優越感をかき消すように大きな口で残りのローストビーフ丼を頬張った。
「私ちょっと飲み物取ってくる!つむつむも飲む?」
「うん、ありがとう」
「すぐ持ってくるね」
パタパタと私たちから離れる背中を見送っているとグイッと要くんが近づいてきた。
一気に距離を詰められ目を見開く。
「真夏ちゃんの言う通り、相変わらずだね早乙女さん」
「まあね」
突然この距離感に詰められればそりゃ固まりもするだろう。
至近距離に整った顔立ちが目の前に広がり思わず頬に熱が集まった。
私の態度が面白かったのか要くんはクスッと微笑んで距離を取る。
面白い〜なんて言って悠長に要くんは笑うけど正直それどころじゃない。
「案外、早乙女さんも紬希ちゃんのこと特別に思ってそうだけどね」
「まさか。ただの幼なじみだとしか思ってないよ」
「同性にしか分からないこともあるよ」
「何それ〜」
「随分気に入られてますな〜紬希ちゃん」
その言葉の意味を知るのはもう少しだけ先になる。
私たちのそんな姿を千隼くんが眉間に皺を寄せて見つめているなんて気づかなかった。
それからしばらくして真夏ちゃんが戻ってきたため再び3人で会話を繰り返す。
あっという間にお昼の時間は過ぎていき、私たちはまた作業に戻った。
定時まで何事もなく仕事を進めていく。
今日は千隼くんと夜ご飯に出かけるため奏に連絡を入れた。
『はいはいなに?』
「今日夜ご飯いらない日だよ」
『分かってるよ。千隼くんとご飯行くんでしょ?』
「今日中には帰るから」
