「あー楽しかった!久々のジェットコースター最高!」

「俺も楽しかった。学生の時に来たぶりだ。」

「もちろん、デートででしょ?龍さん、モテるだろうし。」

「まさか。男友達とだよ。俺とデートしたがる女は高級レストランでの食事やブランドショップでの買い物が好きでね。」

「ほんと?」

「ああ。残念ながらほんとの話。」

次期理事長のスパダリには、その後ろにある権力や財力目当ての女性しか寄って来ないのだろうか?

龍の笑顔の中にチラリと見える影に、椿はしばし黙り込んだ。

「椿さんこそ、信と遊園地デートしたんだろ?」

「ううん。」

椿は首を振った。

「信は・・・あの人は絶叫系アトラクションが苦手だったから、遊園地でデートしたことは一度もないの。」

「じゃあ俺が椿さんの初めての遊園地デートをゲットだな。」

そう嬉しそうに龍が言った。

ナポリタンをフォークに巻き付けながら、龍が言った。

「他にも乗りたいもの、ある?」

「そうね・・・。観覧車に乗りたいな。」