一年後にふたりは翔真を授かり、椿は仕事を辞めた。 「翔真の世話を最優先にしてくれないか。翔真に淋しい思いをさせたくないんだ。金は僕が稼いでくるから」 信がそう強く望んだからだ。 信と椿は翔真を連れて、さまざまな場所へ出掛けた。 動物園でたくさんの生き物を見た翔真はキリンが気に入って、帰りにキリンのぬいぐるみを買ってあげると声をあげて喜んだ。 家族三人で、穏やかに幸せな日々を過ごしていた。 信と翔真がいてくれる。 それだけでいい。 他には何もいらない。 椿はそう思っていた。