「おじさん、誰?」

翔真はゲーム機をソファに置くと、興味津々な目で龍を見つめた。

龍は翔真を見て、目を細めながら右手を出した。

「おじさんの名前は久我山龍だ。今日、隣に引っ越してきたんだ。これからよろしくな。」

「おじさんも久我山って名字なの?もしかして僕達のシンセキ?」

「おじさんは君のパパのお兄さんだ。これから翔真君と仲良くしたいと思っている。家族みたいにね。」

「ふーん。」

「おじさんのことは『龍』って呼んでくれ。」

「わかった。」

「おじさんは学校の先生なんだ。もし何か知りたいことがあったら何でも聞きに来ていいぞ?」

「うん!」

「じゃあ握手だ。」

翔真と龍はお互いの右手を握り、握手をした。

「これから美味しい蕎麦を作るから、一緒に食べような。」

「僕、お蕎麦大好き!」

「ははっ!おじさんもだ。」

龍はあっという間に翔真と打ち解けてしまい、椿はその様子を複雑な思いで見つめていた。

子供は沢山の人間に可愛がられた方がいい、とは椿の母奈々子の持論だけれど・・・

それにしても・・・まさか、龍さんが隣に越してくるなんて・・・