「久我山さんは?たしか5歳の男の子がいるのよね?」

美子の問いに、椿は首を縦に振った。

「はい。まだまだ甘えん坊で・・・」

「なにか習い事はさせているの?」

「いえ。本人はまだ遊ぶことの方が楽しいみたいなんですよね。」

「何をして遊んでるの?」

「最近は子供用のパズルにハマってて。あとはミニカーを公園で走らせてみたり・・・お絵描きも好きかな。よく色鉛筆で動物の絵を描いたりして・・・」

「なら絵画教室なんていいんじゃない?情操教育になるし。」

「そうよそうよ。お絵描き教室、楽しそう。」

美子と幸枝の言葉に、椿は曖昧に微笑んだ。

「うーん。でもまだちょっと早いような気がして・・・。小学生になってからでもいいのかなあって・・・。」

「そうお?」