ママはパパが天国に行ったあの日から、龍が僕達の前に現れる日までの間、顔は笑っていても心ではずっと泣いていた。

僕はそれがわかっていても何も出来ない幼い子供で、ママを心配させないように少し背伸びして生きていた。

でも龍と出逢ってから世界の色が変わった。

龍はそのままの僕を、大きな心と体で受け止めてくれた。

「翔真、もっとワガママになってもいいんだぞ」

龍のその言葉で気付いたんだ。

僕はまだ小さな子供なんだって・・・

大人に、思い切り甘えても、泣いても、怒ってもいいんだって・・・

そう思えるようになったんだ。