「よっ。椿ちゃん!」
品出し中に突然後ろから肩を叩かれ、振り向くと真っ赤なノースリーブのワンピースを着たまりあがにこやかに立っていた。
「まりあちゃん!」
「聞いたよ。銀先生と結婚したんだってね。おめでと!」
「あ、ありがとう。」
龍と自分の結婚を素直に喜んでくれているまりあに、椿は申し訳なさそうに言った。
「その節は・・・その・・・ごめんね。」
「いいっつーの。銀先生より好きな人が出来たから。ねっ!まもちゃん!」
そう言ってまりあは『スーパー三つ葉』の店長、河合守の腕を掴んだ。
「ええっ?!」
いつの間にまりあちゃんと店長が・・・?!
「椿ちゃんの弱みを握るためにこのスーパーでストーキングしてたら、まもちゃんに怒られちゃって・・・。でもまもちゃんは私のこといつも気に掛けてくれて、気がついたら好きになっちゃった!」
「そりゃ、まりあさんみたいに目立つ若い子が、挙動不審で店内をうろうろしてたら気になるでしょ。」
そう言いつつ河合は、まんざらでもない様子でまりあと微笑み合った。



