「えーと・・・なんていうか・・・」
しどろもどろにそう答える椿に、美子が声高に言った。
「あらー。この前、隣町の公園広場で、久我山さんが背の高いイケメンと男の子連れて歩いているの見たわよ?まるで家族みたいだったけど?」
そこまで目撃されているならもう隠せない。
いや、隠す必要はないのだけれど、もう結婚なんてしないと公言していた手前、どうにも気恥ずかしい。
「実はそれ・・・夫と息子です。」
小さな声でそう言う椿の言葉にも、幸枝はそんなに驚かなかった。
「やっぱり久我山さん、あのスパダリと結婚したのね!私は絶対そうなると思ってたわよ?おめでとう!久我山さん。」
「ありがとう。報告しなくてごめんなさい!」
椿は幸枝に両手を合わせて謝った。
「いいのよー。お幸せに!」



