こんなにも孤独で、底なしに優しいこの人を手離したくない。

ううん。絶対に手離してはならない。

龍の言葉が言い終わるのを待たずに、椿は龍に駆け寄り、後ろから強く抱き締めながら叫んだ。

「龍さんをひとりになんてさせないから!」

「・・・・・・。」

「黙って聞いていれば・・・なにが復讐よ。いつも助けてくれたくせに。私と翔真に笑顔をくれたくせに。いつのまにか私の心に棲みついたくせに!」

「・・・・・・・。」

「あなたにとって私達とのこれまでの日々が、たとえ信への復讐だったとしても、私はかまわない。」

「・・・・・・。」

「あなたは本気で女を愛したことがないって言ったよね?じゃあ私が教えてあげる!私があなたを本気で愛する!私と翔真が龍さんを必ず幸せにする!だから・・・あなたの人生を私に下さい!」

「・・・・・・椿さん。」