椿はようやく気付いた。 「これ・・・龍さんの子供の頃の写真だ・・・」 けれど、なんとなく違和感が残る写真ばかりだ。 リレーの選手としてタスキを肩からななめに掛けている写真もそうだが、龍と思われる少年の視線は全くカメラに向いていない。 龍はカメラの存在をまったく気にしていないようだ。 「もしかして・・・隠し撮り?」 弟である信が、どうして兄である龍を隠し撮りしなければならないのだろうか。