「龍・・・?」
その場にいる一同が耳を疑った。
名前を呼ばれた龍は、沙織の行動を固唾を呑んでただみつめていた。
沙織は翔真に手招きした。
「もっと側にきて、顔を見せて頂戴。」
翔真はおずおずと沙織が座る車椅子に近寄って行った。
その後ろを椿も付いて行く。
沙織は翔真の頬を触り、そっと撫でた。
「龍・・・あなたどこへ行っていたの?探したのよ?」
「僕、翔真だよ?」
「ううん。あなたは龍。私の子供よ。」
沙織は愛おしそうに、翔真の手を握った。
車椅子の後ろにいる陽子は、俯き、肩を震わせていた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…