「だが・・・俺の母であることには変わりない。だから月に一度、母を見舞いに行くことにしている。」
「・・・・・・。」
「母は椿さんの姑であり、翔真の祖母だ。一度会ってやってくれないだろうか?」
椿の逡巡する表情に気付いた龍は、気遣うように言った。
「もちろん、すぐにとは言わない。君にも気持ちの整理が必要だろうし・・・でも考えてみて欲しい。」
「・・・私もご挨拶しなければ、とは思ってた。翔真と一緒に考えてみる。」
「ああ。ありがとう。・・・ところでこのカレー、旨いな。フルーティな味がする。」
「うん。ちょっとマンゴーの汁を入れてみたの。」
椿は上の空でそう答えた。



