「久我山さん!聞きましたよ!翔真君て草壁先生の甥っこさんなんですってね。この前教室へ行ったら翔真君がデッサンしていたからビックリしちゃいました。こんなミラクルなことってあるんですね!」

朝、いつものように保育園へ行き翔真を預けると、真名が開口一番に言った。

「ごめんなさい。真名先生に報告しなくて。」

「いえいえ。そんなことはいいんですけど。翔真君の絵のセンスが伸びているようで、私も嬉しいです。」

そうだ・・・あのこと、真名先生に聞いてみよう。

「あの・・・真名先生、ちょっと絵画教室のことでお聞きしたいことが・・・」

「はい。なんでしょう?」

「その・・・女性の方のモデルさんを描くこともあるんですよね?」

「そうですね。たまに人物のデッサンのためにバイトのモデルさんがいらっしゃいます。」

「もしかして・・・その・・・ヌードモデルとかもされたりとかは?」

すると真名は大きな声で笑った。

「あははは!そっか。男の子の母親としてそこは気になりますよね!」

「はい。・・・絵の世界では普通のことなのかもしれないんですけど・・・。」

真名は椿の両肩をぽんと叩いた。

「安心してください。モデルさんはヌードになりませんから。」

「あ・・・そうなんですね。」

椿はホッとした。