今日は日曜。
いつものように、龍が翔真を迎えにきた。
「翔真。公園行くか?」
「うん。」
マンションの階段を降りていくふたりの後ろ姿に、椿は声を掛けた。
「これ、差し入れ。持って行って。」
トートバッグの中には、おにぎりの入った弁当箱と冷たい麦茶の入った水筒を入れてある。
トートバッグを受け取った龍が椿に言った。
「たまには椿さんも一緒に公園に行かないか?向日葵の花が綺麗に咲いている。」
椿は鮮やかな黄色い向日葵が、空に向かって伸び伸びと咲いている光景を思い浮かべた。
龍と翔真の時間を邪魔したくない。
けれど龍は心から椿と一緒に、綺麗な向日葵を見て楽しみたいと思ってくれているようにも見える。
椿は少し悩んだ後、笑顔で言った。
「わかったわ。家の用事が終わったら追いかける。」
見るとふたりは大きなカバンを持っている。
いつものようにサッカーやキャッチボールをするわけじゃないのかしら・・・?
家事を終えた椿は、エプロンを外すと公園へ向かった。
真夏の日差しがまぶしい。
ふたりはどこ?
公園を見回すと、龍と翔真はベンチに座り、画板のひもを首からかけている。
ふたりは真剣な表情で、画用紙に色鉛筆を走らせていた。
絵を描いているんだ・・・!!



