椿は自宅マンションの近所にある、児童公園のベンチに座っていた。

視線はぼんやりと地面をみつめている。

さっきまで健太の家を訪ね、菓子折を渡し、改めて謝罪をしたばかりだった。

かすみは腕を組み、椿を馬鹿にしたように、軽く鼻で笑った。

「私、前からあんたのことムカついてたのよ。ちょっと可愛いからって、いつも澄ました顔しちゃってさ。」

「・・・・・・。」

「まあ、いいわ。今回はこれで許してあげる。」

「ありがとうございます。本当に申し訳ありませんでした。後日、医療費を弁償させて下さい。」

「言われなくたってそうするわよ。」

ただ静かに頭を下げ続ける椿に、かすみはそう吐き捨て、バタンと強く玄関の扉を閉めた。