しばらくすると病院から保育園へ戻って来た柳健太(やなぎけんた)とその母かすみが、翔真と椿、そして真名が待つ保育室に現れた。

健太の右足首には白い包帯がきつく巻かれている。

かすみの顔は怒りで眉間を寄せ、息も荒く興奮していた。

かすみは椿と翔真の前に立ち、開口一番に叫んだ。

「私の大事な健太になんてことしてくれたのよ!」

そう激しく責められ、椿は言葉を失い、しばし立ち尽くした。

その後ハッとした椿は大きく頭を下げ謝った。