保育園に着き、椿と翔真は担任保育士の花田真名に挨拶した。
ふくよかな身体をエプロンで包み、安心感あふれるベテラン保育士である真名は、園内の子供達に人気がある。
「マナ先生、おはよう!」
翔真が元気よく挨拶すると、真名も「翔真君、おはよう!」と笑顔を向けた。
椿も「真名先生、おはようございます。」と小さく頭を下げた。
椿は園内にある翔真の着替えなどを入れておく棚に、荷物を納めた。
そして布団にカバーを掛ける。
その動作に集中している椿に、真名が声をかけた。
「お忙しいところすみません。」
「あ、はい。」
椿は布団カバーを掛ける手を止めた。



