病室には奏斗がいた。

「奏斗くんっ!生きてる!?」

奏斗は笑った。

「バカだなぁ、優菜は」

「え?」

「僕が殺されると思う?」

「だって、奏斗くん…、殺されそうになってたって……」

「そんなの、誰が言ったの?」

「わかんない……」

その時、和斗が来た。

「奏斗!!」

「兄ちゃん…」

「お前が児童虐待に遭ってる時の画像、ネットに出回って大変だぞ!!!」

「嘘…だよね?」

「嘘じゃねえ!!」

そう言って和斗は奏斗に、スマホの画面を見せた。そこには、写真だけでなく動画もセットで映っていた。優菜も恐る恐る画面を覗き込む。

「何、これ…」

「嘘、何で……?」

優菜が不意に窓を見ると、そこにはニヤニヤしながら奏斗達を見ている松野がいた。腹が立った優菜は、走って窓の向こうに行った。