「えっ、でも美和さん早番だからフルになっちゃう…」


気にしてくれるのは嬉しいけれど…真理ちゃん、顔がもう笑ってるよ。


心の中で呆れながらも、真理ちゃんの憎めない嬉しそうな顔に私は言う。

「いいって。もともと予定ないし。この時期の夜のお店は好きだから。」

…嘘ばっかり。


「じゃあ、お言葉に甘えさせていただきますっ!」


「はいはい、オーナーには私から言っておくから。」


そう言いながら、シフト表を訂正する。


「お願いしま~す、チーフ!」


こんな時だけチーフと言う、彼女は店へ出て行く。


「ったく。美和は甘いんだから。」