「美和さん、お知り合いですか?」




「さぁ、私は知らないわ。人違いじゃないかな?」


何か言いたげな哲平ちゃんに客の少ない店内を任せて、私は奥へ引っ込む事にした。


何故今頃になって、もう逢うつもりなんてなかったのに…。






「あれだけハッキリ美和の名前言ってるのに、人違いも何もあったもんじゃないわね。」


「都さん…」


彼女は奥へ行きましょと手で私に伝えて先に奥へ行ってしまった。


私がこのカフェにたどり着くまでの話はまだ誰にもしていない。




今が話すタイミングなんだろうか…何より私自身が誰かに聞いて欲しいと思っていたのかもしれない。