チョコレート❤︎KiSS

まったく、もう…

そう思いながら、スマホを鞄にしまって
私はマンションの二階へと足を運ぶ。

彼の部屋は202号室

玄関先の前に立ってふぅとため息を吐く。

「咲夜くん、きたよー」

コンコンとノックをするとバタバタと聞こえる足音

ガチャー…

扉を開けた瞬間、ギュウウとキツく抱きしめる

「茉帆(まほ)、待ってた。」

子犬みたいな顔して
明るい茶髪に耳にピアスをつけながら
ほんのり漂う柑橘の香水が鼻腔を擽(くすぐ)る