「迷うなぁ」

考え込むのも仕方がない。

……というのも今日は彼の家に行く日

彼というのは「咲夜(さくや)」くんという人で
まぁ、こんな私でも付き合ってもう2年くらい経つ

私より3個年下で美容院で働いていて
見た目ほど甘々な彼からどう対応していいのか分からなくなったりして…

今年のバレンタインデーは
手作りにしてあげようと思っていたけど
仕事の都合で(ただ、料理が下手すぎて)出来なかった。

だから、今年は仕方なくだけど
日頃の感謝を込めて義理でもいいかなって

ショーケースから覗かせる
マカロンとトリュフチョコレートの
二つの選択肢で睨めっこしながら悩みに悩む。

「よし、これに決めた!」

ワインレッドの小さな箱に綺麗に敷き詰められた
トリュフチョコレートを手に取った

喜んでくれるかなぁ…楽しみ。

そう思いながらレジへと向かい心を躍らせていた