「神子、落ち着け 落ち着け」
深鈴の冷静なわたしをたしなめるかの様な声が聞こえる こんなに落ち着こうと必死なのにわたしの動揺が見て取れるかのような口ぶりだ
「鼻の穴、鼻の穴」
「えっ!? まじ!?」
すかさず手鏡で自分の鼻を見る
わたしは興奮すると鼻の穴が大きく開いてしまう癖があった さすが深鈴、見るとこが違う!!
「その地下室が廃病院にまつわるいろんな現象の元になってる場所かも?ってこと?」
気を取り直して美夜ちゃんに聞いてみる
「さぁ、それはわたしもわかりませんが おもしろい情報かな?と思い先輩にお伝えしに来たまでです!」
「どうです? 興味出ます? なんなら行ってみます?」
聞いちゃった以上真意を確かめるのが筋ってもんだ
こうして自分の行きたい気持ちに正当性を持たせる瞬間がわたしは好きだった



