ときおり美夜《みや》ちゃんはぶつぶつ独り言を呟きながらわたし達に道案内のような役目をしていた
「あのさ、美夜ちゃんここに入るの初めてなんだよね?」
わたしは現状抱いていた疑問を率直に美夜ちゃんにぶつけてみた
深鈴《みすゞ》もわたしと同様に思っていたのか美夜ちゃんの顔色を伺う
「そうですよー どうしてですか?」
さもありなん、と言った感じで淡々と答える美夜ちゃん
「ほら、なんか道知ってるみたいだからさぁ」
「どんな病院でもだいたい院長室なんて奥にありませんかー?」
答えになってるような、なってないような答えが返ってくる
そんな疑問もなんも持っていないであろう衆がズンズンと指示通りに奥へと進んでいた



