それでもわたしたち一行は院長室をめざして進むしかない
少し雲が広がり空模様が怪しくなってきてはいたが まだまだお昼過ぎなんで充分に明るいハズ…だった
建物に入ると日が届かない分 思ってたよりもさらに暗く感じる
けど、それが『いかにも!』な雰囲気を醸し出していた
稼働している病院でも、それはそれで薄気味悪く感じる場合もあるのに、廃病院ともなれば尚更だ
「前来た時より さらに荒れてるな…」
深鈴《みすゞ》はエントランスから中を見て呟く
さすが深鈴!わたしにはどこがどう変わってるのか全くわからなかった…
肝試しで数々の人が訪れたであろう病院の内部はことごとく荒らされていた あちこちにスプレーで落書きされた後があったりガラスが割られ散乱してたり、備品が壊され倒されたりしていた



