2015年4月-

東雲ミナは市内の高校に入学した。
化粧をして、スカートを折って自転車に乗って
春の風を感じながら学校へ向かう。

この日は視聴覚室でビデオを見て感想文を書くと言う
授業だった。

視聴覚室では席順が決まっていなくて
仲の良い人が固まって席に着いている。

私はチャイムギリギリに入り一番後ろの席に着いた。

隣は名前も知らない派手目な男の子。

どんな顔なのか気になって横を向くと
彼も私の方を見た。

思わず私は

『綺麗な目 ... 。』

彼は私の顔をじっと見つめ何も言わずにまた前を向き始めた。

何も言わない彼に私は恥ずかしくなり
私も前を向いてビデオを見ることにした。

これが彼との出逢いで
これから仲良くなるなんて思ってもみなかった。