私が初めて彼と関わったのは小学5年生。掃除場所が同じになった。私の名前は中川美空。彼は1つ年上の6年生。困ったことや掃除で必要な道具が無いとき、彼に言うと場所を教えてくれるのではなくて走って取りに行ってくれていた。彼の名前は河村諒。同学年からはもちろん、他の学年からも人気で男女問わず好かれている。運動が飛び抜けてできて、すごく優しい性格が好かれる理由なのだろう。そのころの私は彼が近くにいたはずだったけど全く恋愛に繋げるという考えがなかった。

彼と再会したのは中学校に入学して間もない、部活動見学の時だった。中庭を見下ろす眼鏡をかけた怖い顔の先生。宮崎先生だ。先生の視線の先には、ものすごい声量で声出し練習をしている先輩が10人くらい立っていた。私はその中に河村さんがいるのを見た。その時は何の部活だったのか分からなかったけど、私がその部活に入ってからバドミントン部だったことが分かった。