For Myself

2人の回診が先に終わり、次は私のところに来る。知らない先生ばかり。でも、中に佐久間先生と高森先生がいるのがわかって少し安心した。



佐久間先生が他の先生に私のことを説明したあと、問診から診察が始まった。みんなに見られながらは緊張するから嫌だなぁ。



「昨日はなかなか寝付けなかったらしいけど不安だったか？」



「初めての入院で、普段と場所も違うからやっぱり不安で寝付くまで時間はかかりました。」



「そうだよな。胸の音とか聞かせて貰っていいか？」



そう言われたけど、簡単に頷くことは出来なかった。普通に胸を開けるのは恥ずかしいし、知らない人に見られるのは怖い。相手がお医者さんだとしても嫌なものは嫌なのだ。



「人が多いと緊張するのであんまりされたくないんですけど…今じゃないとダメですか？」



「そうだよな。配慮ができなくてごめんな。今は服の上からでいいから聞かせて貰いたい。」



服の上ならいいと思い頷いた。そこからいくつか質問されて今日の予定を説明されて終わった。



ゾロゾロと病室から出ていく先生たち。見えなくなったところで2人と目が合う。



「あれ、私きらーい。」



夏鈴ちゃんが言うと妃奈ちゃんが頷く。



「大名行列かよっていつも思う。私たちだって思春期の女子なんだから配慮して欲しいよね。」



本当にその通りだ。そう思って私も頷いてしまった。



一通り話終わると、2人は勉強をするらしく、私も勉強道具はあるので勉強をし始めた。