For Myself

車が発進して10分弱のところで私の気分は最悪だった。久しぶりの車でさらに無言の時間が車酔いに繋がってしまった。



バレないように下を向いて耐えていたものの隣の医師は私の様子に気づいたらしい。その先生が、声を上げたことで空気が変わった。



「えっ、大丈夫?」



どう考えても大丈夫なわけがない。気持ち悪いし本当に辛い。袋を手渡されても、朝もお昼も食べてないから吐くものなんてないのだ。



ただ、タラタラと唾液だけは袋の中に垂れていく。



「車ダメだった?」



先生のの声掛けに答える余裕はなく、ふるふると首を振るだけになってしまった。



また、迷惑をかけている本当に申し訳ない。



病院に到着するまで、隣にすわっている先生が状態を把握してくれていた。ごめんねと手首を掴まれたりして、脈を計られてるのは理解した。



病院に到着しても直ぐに体調は回復せず歩くことも難しかった。その様子を見て、ちょっと怖そうな運転してくれていた先生が車椅子を持ってきてくれて、車椅子に移動させられた。



車椅子に乗せられて診察室へ向かう。初めての車椅子澪は良く使っていたのをわたしは覚えている。いつの間にか診察室のベッドに横にされていて、その間も気持ち悪さは取れず、目を瞑ることにした。



検査どころではなくなってしまった。また私迷惑かけている。