健康診断があると派遣された。



健康診断としてこの学校に来るのは3回目くらいになる。基礎疾患がある子どももいるが病院に通院してるからだいたい大きな病気は見つからない。



法律で決まってる以上やらないということはできないのだけれども、一日に何百人もの子どもを見るのは疲れる。



あと、1クラスとなったとき、慌てた様子の養護教諭が来た。一旦こっちのレーンは健診ストップ。



「先程、体重測定を行った生徒でBMIが15.4の生徒が居まして…去年から体重の大幅に減少しているため別室にいます。全ての生徒が終わり次第、その子を見てあげて貰えませんか。」



最近の若い子は、細くありたいと無理なダイエットをする。体重の著しい減少で考えられるのは摂食障害がおきているか、何らかの病気か…。



「分かりました。終わり次第行きます。」



そう伝え、早めに健診が終わるようにスピードをあげる。このクラスも特に問題がありそうな子はいない。多少、痩せている子もいるが病的ではないため要観察程度だ。



「高森こっちは終わったがどうだ?」


「こちらも終わりましたよ、佐久間先生。」


「別室にあと一人、重度低体重の子がいるらしい。一緒に来てくれるか?」


「もちろんです!」



案内された部屋は本当に小さくて会話も外に聞こえないようになっている構造だった。そこに来るまでにその生徒の情報を聞くものの普段から大人しい子なのだろう。ほとんど情報は聞き出せずに終わった。