俺は目を丸くした。
彼の言っていることは、自分がそのひとに言いたかったことそのままだと思ったからだ。
「俺……なぐさめるの、うまくねぇな……」
「まぁまぁ。
おまえはすごいよ。うまくなくてもやろうとするじゃん」

彼がニコッと笑って言った言葉を聞いて、俺は心から安心して、
「帰ろ」
「うん。ごちそうさま。お皿洗って明日返すな」
「わかった。おやすみ」

やっと、寝よう、と言う気になった。
今日もとても長かった。永遠のように。
だが、やっと眠れそうな気がした。ぐっすりと。