息を切らしながら近くのコンビニまで走った。
小さな雲みたいな息をほっほっと吐き、代わりに冷えたサイダーのような空気を吸って走っていると、
からだの中の悪いものが良いものに入れ替わっていくのを感じる。
きっと、走ってあたたかくなったからだを新しくてきれいな夜の空気が循環しているんだ。
「夜に駆ける」って言う曲があった。俺、今、夜を駆けている。

- きみって何も考えてないよね。
考えていることはたくさんあるけれど、あなたには言わないだけだよ。

大通りの角のセーブポイントみたいなコンビニで水とあたたかいお茶を買い、
ペットボトルを両手に握って走って家に帰る。
家に帰る途中も、きれいな夜が俺の中に入って血管の中を循環して、
また夜に還って行くのを感じた。
すっきりした。

そして、
家の前に、誰かが立っているのを見つけた。