「あんたっカミサマに――――――!!!」

教会の目の前で、半狂乱の案内人さんがとあくんを殴ろうとしているのが分かった

みんなはその周りを囲うように立っていた

とあくんは一回も手を出していなかったようだった

何よりおかしいのが………

とあくんがやらっれぱなしなのを見ても

誰も…何もしなかった

私は無意識に体が動き、止めに入った

「っや、やめてくださいっ!何してるんですか!!!」

自分の声とは思えない大きな声を出したが、案内人の人は止まらずにとあくんを殴り続けた

バチンッ――

案内人さんが最後のとどめとでも言いたげに、とあくんにビンタした

「ッ、った」

いままで無表情だったとあくんも、ついにゲホゲホと咳を吐いた

それを見て案内人が、満足げに恐ろしく笑う

そしてとあくんの耳元で何かをつぶやき、立ち去っていった

その後とあくんを救護室に連れて行こうとしたが断られた

とあくんは確実に、

震えていた

何かにおびえていた

怖い思いしたんだから、きっと…そのことだよね?

もし……違ったら何なんだろう

そんなに震えることって…いったい何?

案内人さんは最初、なんて言っていたの?

なんであんなに怒ってたの?

みんななんで、止めなかったの?

なんで棒立ちして、じっと眺めてるだけだったの?

なんであの時みんな、無表情だったの?

とあくんはなんで……殴られたの?

その正体を知るのは、また次のお話で―――