「話したいこと?ですか?」
わたしはそう言いながら、再び少し痛み始めてきた右の太腿を擦った。
「あ、痛いですか?」
「少し、、、あ、でもいつものことなんで。それで、話しって?」
わたしがそう言うと、弦巻さんは「あ、はい。実は今、俺が研究してる病気があるんですが、その病気の症状が美桜さんの症状と凄くあてはまっているんですよ。」と言った。
「え!本当ですか?!」
「はい。さっきの話しを聞いて、もしかして、と思いました。」
「それは、」
わたしはココアが入ったマグカップをテーブルに置くと、前のめりになって「それは、何ていう病気なんですか?!」と訊いた。
すると、弦巻さんは「俺は研究者であって医者ではないので、診断は出来ないですが、、、病名だけを言うと、線維筋痛症かな、と。」と言った。
「せんい、きんつうしょう?」
「はい。全身に痛みが出る他に、倦怠感、頭痛、目眩など、色んな症状が出るにも関わらず、どんな検査をしても問題が見つからない病気なんです。」
「そうです、わたしもです!」
「だから、可能性的にはあるかと思います。」
「その、線維筋痛症?って、どうやって診断してもらえるんですか?」
わたしがそう訊くと、弦巻さんは「検査をしても何も問題が出ない病気なので、診断するのがなかなか難しい病気なんですよ。しかも、線維筋痛症に詳しい医師はかなり少なくて、、、だから、なかなか診断してもらうことが出来ないんです。」と言った。
その言葉に少し肩を落とすわたし。
そんなに診断するのが難しい病気なんだ、、、
じゃあ、わたしはどうしたら、、、
そう思っていると、弦巻さんが「でも、大丈夫です!」と明るい声で言った。
「俺が行っている研究室によく来る医師で、俺がお世話になってる道重先生という医師が線維筋痛症の専門医なので、道重先生に診てもらうのはどうですか?」
弦巻さんの言葉にわたしはすぐに「診てもらいたいです!」と答えたのだった。



